(話題、視点、論点)View halloo!!:狐狩りの時の「ほら出たぞー」という掛け声【Release date:2007年09月10日】







昨今のインターネット上のHTTPS接続の推奨等の動きは悪くないと思うのですが、不安を煽って必要のない閲覧のみのページも巻き込まれていくようです。

私も齢を重ねてまいりました。

寺社仏閣史跡等の訪問レポートを書き溜めているのですが、2022年まで溜まってしまいました。

この際、それまでに死亡すれば別ですが、2022年末をもってサイト閉鎖する決心を致しました。

ありがとうございました。


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国際分業で誰が価値を獲得


新聞を見ていると思わず感心するようなコラム等を見つけることがあります。今回は日本経済新聞の「核心(本社コラムニスト、西岡幸一)」と言うコラムの中に非常に興味深い記事がありましたので紹介させていただきたく思います。

まずはシャープのブラックボックス化された工場設備について説明されています。この件については衆知の事実であろうと思いますが、そもそも液晶はある米国の会社の会社紹介ビデオにチラッと映っていたのを研究して物にしたのがシャープで、液晶パネルの製作を海外に持ち出したら、結局はその技術は拡散してしまい、現在では国際市場でのトップの位置を気づくことができなくなってしまったので、三重県の亀山に一体化工場を建設して秘密主義となっているのですが、工場内のまばらな人影と他の場所に自由に移動できなくなった工場内の説明等があります。

話は少しはずれますが、現在、液晶パネルの生産は、韓国や台湾のメーカーにトップの座を奪われているばかりか、テレビは意外と安易に部品を集めて組み立てるだけで良い製品であることで、数々の安売りメーカーが乱立しています。パーソナルコンピュータが当初はIBMやNECや東芝といった技術的にも研究開発能力も高い会社が製造していましたが、現在では部品を集めるだけでプラモデルを組み立てるような簡単さで出来上がる時代になっていまいました。

テレビにこれからどのような付加価値を求められるかがテーマではないでしょうか。ブラウン管テレビの30インチ近いものが1万円以下になった時の、電気製品メーカーの救世主が液晶テレビであったと思いますが、放送やソフトウェアやプログラムが全く変わった訳ではないので、極論をすると1万円程度で同じ放送が見られるのに20万から40万円も出して購入するほどの価値の差がどこにあるのかということではないでしょうか。ちょっと折角の記事の内容から離れすぎたので話を元に戻します。

シャープのような超秘密主義の会社とは違い、アップルのiPodやiPhoneは、製品のコンセプトや設計は自前でするが、製造はEMS(電子機器の受託製造業)に任せるというコンセプトで、部品も自社開発ではなく外部から購入するというグローバル化した製造インフラを活用し、水平分業を徹底的に利用する。競争力の源泉を斬新な製品企画やデザインに主流をおき、製造のコストダウンは委託先に任せてマーケティングに励むという事業モデルだそうです。

私が興味を持ったのはカリフォルニア大アーバイン校のG・リンデル氏ら3人の研究者が、「グローバルなイノベーションの中で誰が価値を獲得しているか。」という論文を発表したそうです。定価$299の第5世代iPodを例にとり、使用部品から最終的な製品組み立て、販売に至るルートに燗する企業・国を割り出し、付加価値がどう生み出されていくか詳細に追跡してます。

1台のiPodの使用部品は451点、最も値が張るのは東芝のハードディスク駆動装置(HDD)で$73.95。しかし、このHDDも部品を外部から調達し、組立ては日本国外であり、純粋な東芝の付加価値は$19.45。同様に計算していくと日本メーカーの付加価値ベースの貢献分は$26であり、部品供給企業と組立て企業の付加価値ベースの製造コストは$144で、割引を無視すれば差額の$155はアップルと流通業者の懐に入る計算になり、米国の取り分は決して少なくないということだそうです。

統計上は、完成品として$144で中国から米国に輸出されますが、交錯した国際分業関係による付加価値を差し引きすると、実質的な中国の対米黒字は、組立て分の$4程度でしかないという計算が成立し、中国の膨大な対米貿易黒字をこうした角度から詳細に点検すると表面には現れない意外な実態が秋らかになり、高い粗利益率から考えると苦労して垂直一貫体制を取る必要は無いだろうということです。

皮肉なことに多額の費用と苦労をものともせずに垂直一貫生産体制を築くシャープと比較すると米粒のような従業員100名程度のビジオという新興のファブレスメーカーが今年度の第2四半期にシェア12%で北米のトップに立ったという記事で締めくくられています。ブラウン管テレビの末路を考えると、液晶テレビもその付加価値が高い訳では無いので、どれだけの粗利益率が確保できるかが、今後の各メーカーの盛衰を占うキーワードではないでしょうか。

使用している数字等は、2007年09月03日の日本経済新聞を参考にしています。