
奈良県桜井市和田にある「天落神六社権現」です。
長谷寺参拝を終えて針テラスへ向かっていたのですが、初瀬ダムの横を上り詰めて暫く走ると祠に気付きました。
『天落神六社権現由緒記
文 巖樫 俊夫
落神の宮は、当地に祀られている山に三社、川に三社ある総称で、六社権現と呼ばれている。
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長谷寺縁起文によると、昔、雷神が瀧蔵権現神社(瀧蔵権現)に祀られていた毘沙門天御所持の宝塔を取り、天に昇ろうとして落ちた所で、落神の地名の起源になっている。
六社の一つ、川の中の巨大磐座に味祖高彦根命を祭神とする祠が安置され、古来より雷除け、災害防止等、霊験あらたかな神として厚く信仰されている。
毎年、旧暦一月一日に六社権現講が輪番で綱掛行事が行われ、また当地吉岡氏は吉岡留吉氏より代々守護神として毎年五月九日に例祭、毎月九日に月次祭を行い祀られている。
湖底に沈んだ磐座は此処より南西約180m下流の大和川沿いにあった。
その一つ川中の屏風岩は、高さ4.8m、幅7.7m、奥行き4.7m、下部周囲24mの三角状巨巌で両面に向って左側に1.4mの宝篋印塔と梵字、中央上部に梵字の線刻があり、上部に祭神の祠が安置されていた。
また一つは県道をはさんだ山側の露出した岩盤に高さ97cmの宝篋印塔が線刻されていた。
この度、これ等の磐座が、初瀬ダム建設事業により湖底に水没することとなり、清浄な石材を選び、由緒ある磐座の面影を記録にとどめ、御神徳を顕彰し、当所に遷座し奉る。
昭和六十三年七月吉日
六社権現講中
― 氏名省略 ―』
※ 境内掲示より