
奈良県宇陀市室生染田に鎮座する「春日神社〔染田天神〕」です。
参道入口の鳥居脇には春日神社と社号が彫られた石標があります。
神仏混合の名残であると思うのですが同一境内に寺院が存在しているようです。
本堂のような建物も境内にあります。
藁葺の建物の前に以下の説明書きがあります。

『染田天神由来
この天満宮は貞治元年(1362)五十六代清和天皇の末裔である多田順実公が歌道を志し菅原道真公の画像をえて建立したものである。
創立以来、永禄七年(1564)まで當天神を中心に中世の代表的文学であった連歌を通して當時の地方文学向上に果した功績は極めて大きかった。
この期間の連歌千句会で詠まれた懐紙(日本最高)天神縁起関連 古文書 連歌机これらを納めた唐●など二十世紀の今日まで無事保存され貴重な文化財として
指定されている。
このような例は全国にない。
これは過去当地に住む人々の染田天神への尊崇の念が厚かったせいによるものである。』
※ 境内掲示より

そう言えば道路に「中世文学の里・(奈良県指定文化財)・染田天神講連歌歌堂・染田天神講文書」と記された看板がありました。
はっきりとはしませんがどうやら藁葺の建物は「染田天神講連歌歌堂」ようです。
私自身は「春日神社」と思っていたのですが、何やら少しばかりややこしいものです。
この「染田春日神社」を検索してみると「染田天神」と「十輪寺」が並んで表示されました。
如何やら総て同じ境内地に同居しているようです。

何やら混乱するのですが「天満神社」の神護寺が「十輪寺」とも書かれていたのですが、別の神社が鎮座しているのか、それとも境内社の扱いなのでしょうか。
奈良県神社庁には両方とも登録されているようです。
藤原氏の祖先を祭る「春日神社」が広範囲に祀られているという事は、権勢の証拠という事なのでしょう。
それにしても、天皇家に嫁つがせて権力の中枢に入り込んでいる証拠なのでしょうか。
未だに継続しているようです。