
奈良県山辺郡山添村桐山にある「烏ヶ淵阿弥陀地蔵二尊磨崖仏」です。
布目ダムの存在は解っていたのですが、何となくハンドルを切るのが億劫でやっとこさこちらの方面にやって来ました。
いろいろと水に関した遊びが出来るようです。
何となく気になって見に来たのですが、磨崖仏でした。

『烏ヶ淵阿弥陀地蔵二尊磨崖仏
由来記
天明年間の頃、桐山和田の水田地帯を開発する為、布目川の流れに井堰を設け和田広に導水した。
堰の上流には淵が形成され烏ヶ淵と称した。
後寛政年間に至って、淵の中に突出する巨岩に地蔵尊を彫り込み、この堰を築造した個人の霊を供養すると共に、永世水難除厄を祈願したものと推考される。
文献
烏ヶ淵の石地蔵には寛政の年号と法名を切り付けている。
― 東山村誌 ―
遷移の記
今回布目ダムの建設によって、この磨崖仏の水没を免れる為巨岩の水底部から上を切り取り此処に奉遷した。
移転前は通常二尊仏の下部二十糎が水中にあったのでその状態を維持するよう水郷を巡らし斯く安置するものである。
平成二年吉日』
※ 境内掲示より

『山添村指定文化財
(昭和四十八年二月二十一日指定)
烏ヶ淵阿弥陀地蔵二尊磨崖仏
桐山区
阿弥陀像と地蔵像を淵の中にある巨岩に彫った磨崖仏で他に類例がなく、寛政の年号と法名を切りつけている。
二尊とも像高は87㎝である。
烏ヶ淵の堰を築造した故人の供養と度重なる水害を逃れるためにきりつけたと考えられる。
なお、布目ダムの建設による水没を免れるため、巨岩を切断して移築し、ここに復元した。
移転前の状態を維持するよう、池を設けて安置している。
山添村』
※ 境内掲示より
ダム湖に沈んだ人々の歴史の証人という事です。