
奈良県山辺郡山添村峰寺に鎮座する「六所神社」です。
名張から奈良に向かう途中の布目ダム手前の下りの左方の山の中腹の集落の中に真紅の鳥居が見えているのには早くから気が付いていました。
場所は解るのですが、アクセスする経路が難しそうで、なかなか参拝の機会に至りませんでした。
前回は布目ダムの西側を廻ったので、今回は東側をとやって来たのでやっとこさのことで、ついに辿り着けることになりました。
大満足です。

氏神山の山腹の花崗岩の巨石の上に春日造りの社殿が据えられているということですが、美しい彩色になっています。
磨崖仏は神仏習合の名残りで『江戸時代初期頃まで乗光寺と称する別当寺が存在』していたということですが、実際に山添村や伊賀や名張の神社を訪問すると、宮寺や別当寺や神宮寺などが存在していることが少なくありません。
『古記・神鏡・懸仏などが発見され、六所神社・六所明神とも称せられたこと、祭神を饒速日命・天忍穂耳命・天津彦根命・天穂日命・熊野忍踏命・熊野忍隅命の六柱としていることなどが分かった。』ということですが、具体的な資料があるのは喜ばしい限りです。
美しく彩色された本殿の鮮やかなことや赤い鳥居の両脇にそびえたつ巨樹に圧倒されます。

『山添村指定文化財
(昭和四十一年九月二十日指定)
不動明王立像
建武五年(1338)
六所神社
像高72㎝の磨崖仏で、銘文は磨滅しているが、昭和三十四年に専門家の手拓によって、「建武五年(1338)四月七日」の銘文が発見され、南北朝時代の石仏であることが判明した。
直立した単調な姿勢で、右手に降魔の利剣をささげている。
山添村』
※ 境内掲示より
神社に至る集落の入口の桜の並木は満開時には見事な限りです。
是非、その頃に再訪問したいと思います。