
奈良県奈良市月ヶ瀬桃香野にある「千体磨崖仏群」の大石に刻まれた磨崖仏群です。
先に説明書きを読んでみて、大岩の不自然さに気がついて見に行ったのですが、磨崖仏はありませんでした。
不自然な通路に気がついて崖側に回り込んでみると驚いたことに、大量の摩崖仏に出会うことになりました。
「菊家家住宅」からほんの少し下った分岐点にあるのですが、説明板が無ければ見落としかねないところでした。

『千体磨崖仏群について
この地区には各所の大石に高さ30センチ大の磨崖仏がたくさん刻まれており、一ケ所百体を数えるところもあって、合計四百三十体ほどある。
特にここの大岩には、美しい小仏像が百体刻まれてあったが、道路拡張の折り、三分の一ほど割り取られている。
何故。この地区に、いつ、だれがこのように仏像を刻んだのか、その詳細は、不明であるが、その昔この谷の一番高い、城庵の一角が崩れ落ち、多数の人家が大災害に遭ったと伝えられ、村人たちは今後の安泰とその供養のため、残る大石に仏像を刻み、その無事を祈念したのではないかと思われる。
素朴な野趣豊かな小仏は、もの言わねど深い謎を秘めて、その昔を語ってくれる。

因みに当地の善法寺境内の「南無阿弥陀仏」碑に、「永禄六年(1563)供養七十四人…」とあり、山崩れの時期かと判読される。』
月ヶ瀬村教育委員会
月ヶ瀬村文化財保存会
今では奈良市に所属していますので、月ヶ瀬村というのは奈良市と読み替えるべきなのでしょうか。
梅の季節には一面に梅が咲き乱れるのですが、新緑に包まれるゴールデンウィークの訪問も悪くないと思います。
さて、重機等を投入する余地も有りそうにないので大変な作業であったと想像に難くないのですが、割り取った部分はどうなったのか気になります。