
奈良県奈良市春日野町に鎮座する春日若宮社です。
春日大社のまでは来ますが奥へ進んだのは初めてです。春日大社の例祭は三月十三日の「申祭」と若宮の例祭である十二月十七日の「おん祭」が挙行されています。
奈良に住んでいたときに「おん祭」の日が学校も幼稚園も休みになるので見学に来たことがあります。

『重要文化財
若宮神社本殿一棟
保延元年(1135)創建
若宮神社拝舎一棟
治承二年(1178)創建
若宮の御祭神は長保五年(1003)に御出現あそばされ、保延元年(1135)現在の地に祀られる。国指定重要無形民族文化財である「春日若宮おん祭」(十二月十七日)に際して、その一日のみ御旅所にお渡りになる。
鎌倉時代後期に描かれた絵巻「春日権現験記」(1309)にも現状と同等の建築物が描かれている。拝舎の屋根の後端は神楽殿と一体になっている。
春日大社』

『重要文化財
若宮神社細殿及び神楽殿一棟
保延元年(1135)創建
北(向かって右)より三間を細殿、一間を御廊、六間を神楽殿といい、三つの建物が一棟に合わさった建物であり、平安末期の寝殿造の遺風を伝えている。
諸祭典に社殿神楽がここで奏せられる。
春日大社』

県下一、二位である巨樹で神宮皇后のお手植えと伝えられる「若宮の大楠」、や若宮神社本殿北側のナギの幹に大蛇のように巻きついている「八房藤」や大和長谷寺にある紀貫之の名紅梅「人はいさ」の穂木から接ぎ木した梅の木を春日の篤信家米谷宗慶によって、若宮社前に献木されたと伝わる「若宮の紅梅」など名木も数々あります。

それにしても「春日若宮おん祭」は、京都の「時代祭」や「葵祭」のように時代装束を纏った行列が見られるのですが、歩いている人が見物人と立ち話をしていたり、くわえタバコで歩いていたりとなかなか興味深いものであったと記憶しています。意外と知られていない祭です。
それにしても春日大社から奥に数多くの末社というか接社が並んでいることに驚きました。
奥へ抜けると新薬師寺の近くにたどり着くこともできます。散策コースとしては素晴らしいと思います。