
糸吉大神から「「源氏の滝」」に向かって上流側へ移動すると、またもや鳥居が見えてきてその脇にかなりの数の地蔵様が並んで前を通る人を見つめてくれています。
地蔵様は閻魔大王の化身で、親より早く死んだ子供が三途の川を渡れずに賽の河原を彷徨っていると地蔵菩薩の錫杖に捕まらせて三途の川を渡って下さると聞いたことがあります。

地蔵様は誰かが何かのきっかけで祭られることが多いのですが、このように多数の地蔵が集まる要因とは何なのでしょうか。
昔からこの月の輪の滝の道は奈良方面への街道として使われているのでしょうか。
地蔵様の横に少し大きめの石が二個あり、何やら由緒書きが書かれています。

『夜泣き石
「伝観乃河内」という本に、次のような話が書かれている。
昔、このあたりに源氏姫と梅千代という二人の若者が住んでいた。
あるとき、大和と河内の境、大蛇山に住む女山賊の手下どもが、二人をかどわかし、山に連れ去る途中、梅千代は死んでしまった。

源氏姫は無念に思い山塞に着くと山賊の頭の胸を刺した。
頭はすでに、梅千代も源氏姫も自分の子供であることを知っていたので、息も絶え絶えに、このことを明した。
それを聞いた源氏姫は、刺し殺した女が自分の母であったのかと、その罪を詫びて、「源氏の滝壺」に身を投じたという。
この付近には、夜になると鳴き声がするという石が多い。
この夜泣き石にも右の伝説に出てくる悲しい物語が秘められているだろう。』
なんとも面白いストーリーなのですが、「源氏の滝」の命名の理由が見えてきたような気がしますね。
そんなに大きな滝であったという記憶がないのですが…。