
滋賀県草津市大路に鎮座する「小汐井神社・小汐井水天宮」です。
JR東海道線の草津駅の西側から東側に出ようとかなり大回りで辿り着いたときに通りかかって参拝できました。
そもそも草津駅前が都会っぽくなっていて驚いたのですが、よく考えてみるとこの駅で降りたことはありません。

『小汐井神社の御由緒
当神社は古く正一位女体大権現社と稍し、小汐井村(現在の大路地区)の氏神だけでなく、東海道中山道分岐の地として往来の旅人にも厚い信仰を受けてきた。
御祭神の田心姫命は、神代の昔、天照皇大神と素戔嗚命が誓い言をされた時に生まれた神で宗像大社(福岡)、厳島神社(広島)の御祭神とともに神代三女神の御一方である。

御創建は、今から千百余年前、平安時代の初頭清和天皇の御代の貞観五年(863)とされ志津の延喜式内社、小槻神社と深い関係があり、現在当神社の御神宝である黒漆塗瓶子を両社で分かちもって来た。
江戸時代の東山天皇の御代、宝永二年(1705)御神階正一位の極位に昇叙され、明治十年(1877)小汐井神社の古稍に服した。
大昔から縁結び安産の御霊顕とくにあらたかで、また厄除開運、願望成就の神として近在遠地の信仰を集めた。
古くは境内地もはるかに広く昼なお暗き森に囲まれていたことは古老の伝えるところである。
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神社東側にある小汐井池は創建当時の本殿のあとで水天宮が祀られている。
社殿によれば大古、御祭神の田心姫命が御姿をあらわされ御身にまとわれていた白妙の御衣を池でそそがれ中の島の栴檀の木にお掛けになったといわれる。
古来尽さるなく湧き出る当社の御水は現在も「御神水」「長命水」としていただかれる方は日々あとをたえない。
これにちなみ次の古歌が残されている。
世に経とも澄む影清き小汐井の
神の恵みも深き真清水 』

『潮斎の井
御神水
古くから当社に湧き出る水は有難い御霊水としてお詣りの人の為に喜ばれてきました。
この御神水も地下二十メートルの水脈から曳かれた自然水です。
自由にいただいて大神さまの厚き御神徳をお受けください。
水を汲む前に
先づ神前へお参りを』

滋賀県はかなり古い時代から人が住んでいたようで、西暦の初期に創建したという由緒書きがある神社などを見かけます。
文字も無かった時代からの記憶による言い伝えにどの程度の信憑性があるかは別にしても、琵琶湖の恵みに人々が集ったことは疑いようの無い事実ではないかとも思います。
いずれにしても歴史を創り出すのも繋げていくのも人であることは否めない事実であり、そこをきちんと理解しなければ「幸福な人生」を全うすることは難しいという事でしょうか。