
三重県伊賀市猪田に鎮座する「猪田神社」です。
伊賀市下郡にも同名の猪田神社が鎮座していて最初の頃は土地勘も無く良く解っていませんでした。
居住地から柘植の方向へ向かう時に近辺を通るので徐々に土地勘が養われてきましたのでどちらへも迷わずに到着できるようになってきました。
地名も含めて知ってから解って来るという事でしょうか。

『国指定重要文化財 建造物
猪田神社本殿
本殿は棟札から文永七年(1327)の再建が明らかで、県内の神社本殿では最古のものである。
一間社流造、檜皮葺で軒は二軒繁垂木とし、土台上に立つ。
正面には浜縁をつけ、三方を縁として擬宝珠高欄をめぐらし、背面側は、脇障子で閉ざす。
庇の角柱をつなぐ虹梁や身舎の頭貫の端部は室町風の渦をもつ木鼻とし、各柱上の組物は連三斗、中備は蟇股となる。
特色のあるのは、側面の構成で妻虹梁を受ける蟇股は上に斗をもたない異形のものを用い、妻虹梁の大瓶束は下端に鬼面の彫刻を施している。
要所に用いられた彫刻的要素は優れたもので本殿を華やかに見せており、県内の代表的な社殿であるとともに、伊賀の地方的特色をよくあらわす建築である。
昭和十四年十月二十五日指定
伊賀市教育委員会』※ 境内掲示より

境内には「天真名井」と「史跡 猪田神社古墳」と役行者の祀られた祠「行者堂」もありますし、本殿横には「磐座」もあります。
伊賀市上神戸に鎮座する神戸神社にも「天之眞奈井戸」が存在しています。
伊賀市下郡の猪田神社とは、雰囲気が異なるのですが、式内社がどちらであるかとの比定社に拘る方々も少なくないようですが、崇敬者の弛まない努力の賜物で営々と築き上げた星霜には敵うものがないのではと思います。