
三重県名張市安部田に鎮座する「勝運生地蔵尊」です。
ここは初瀬街道にあたるらしいのですが、水田の中に御堂がありました。
この御堂の先で初瀬街道は北へ針路を取り宇陀川を渡って宇陀川の北側の初瀬街道と合流します。
名張へ向けて宇陀川の両側を初瀬街道を通っていたようです。
こちらの道は赤目丈六を抜けて名張へ向かいます。

『勝運生地蔵尊 高さ93cm石仏
昔から「しょうけじぞうさん」と呼ばれ足の病に御利益があると伝えられており、多くの方の信仰を集めていました。
言い伝えによると
その昔、足痛のため起き上がる事が出来なかったおばあさんがいました。
ある日の朝、枕元に地蔵さまが現れ「足痛を直してあげるから誰かにお参りしてもらいなさい」と言われました。
おばあさんがおじいさんにその話をすると「その地蔵さまはしょうけ地蔵さまだ」と言い早速お参りしたところ、五日目におばあさんの足は治り、仕事が出来るようになりました。
二人はお礼にワラジを作って御供えしました。」
というお話があります。
この話がいつの間にか広まり、多くの方が、お参りに訪れ、足の病気が治ったというお礼のワラジが数多く供えられるようになりました。
昭和四十二年(1967)、土地を保有・管理している寺嶋夘一郎氏と稲荷生之助氏により、お堂を建立し現在に至っております。
丈六寺当時の住職、吉永光照氏により、「しょうけ」に「勝運生」と漢字を当てられました。
その名のご縁から、スポーツや受験、商売など「勝負運が向く」といわれています。
平成二十六年三月吉日 立て札・鈴緒をお賽銭で奉納』
もうすぐこの地蔵さんを教えてくれたお婆さんがカートを押して辿り着きます。興味深い地蔵さまです。