
三重県伊賀市大滝にある真言宗豊山派長谷寺の末寺である「真言宗豊山派 成就山 蓮明寺」です。
建部神社を訪問しようと大滝を訪れたのですが、蓮明寺のある石垣の上に鎮座していることに気が付かずそのまま奥へ上へと進んだ結果、金比羅宮に辿り着き、車へ戻る途中に蓮明寺の石垣の手前で建部神社に気がついて訪問してみました。

境内の説明板によると、
『蓮明寺
本尊は聖観世音菩薩、古くは京都仁和寺の末寺であったが、後に真言宗豊山派長谷寺の末寺となった。
伊賀の乱に消失し再興されたが、後、二度の火災に遭い、その都度再建された。
建部神社の棟札から別当寺であったことが窺える。
境内の横手に大きな銀杏の木が三本あったが、平成五年(1993)の本堂改築の時、二本を切ってまな板を造り記念品として各戸に配布された。
伊賀四国・六十番の札所。
平成二十一年
花垣歴史研究会』
とあります。

私は神社を主に訪問して説明書きなどを読んで勝手な想像力で楽しんでいるのですが、寺院は門が固く閉ざされていることが多く、あまり訪ねてはいません。
しかし、伊賀市の花垣地区を廻っていると神仏分離を感じさせないというべきか、神社と寺院が隣接していることが多いのでかなり興味深く感じています。
明治政府の神仏分離令という流れからは少々疑問点が残るのですが、花垣地区では必ずと言って良いほど隣接のような形で残っています。

ところで「別当寺」は、Wikipediaで『神仏習合が許されていた江戸時代以前に、神社を管理するために置かれた寺のこと。神前読経など神社の祭祀を仏式で行い、その主催者を別当(社僧ともいう)と呼んだことから、別当の居る寺を別当寺と言った。』とあります。
個人的には「神宮寺」は少々知識があったのですが、Wikipediaで『神宮寺とは、日本で神仏習合思想に基づき、神社に附属して建てられた仏教寺院や仏堂。別当寺、神護寺、神願寺、神供寺、神宮院、宮寺ともいう。
別当寺は、神社の管理権を掌握する場合の呼称と考えられる。宮寺は、神宮寺を意味するほかに、石清水八幡宮寺や鶴岡八幡宮寺のように、神祇の祭祀を目的とし、境内には神社のほか仏教施設や山内寺院が立ち並び、運営は仏教僧・寺院主体が行った、神仏習合の社寺複合施設(組織)をいうこともある。』とあります。
なるほど、別当寺だけを調べても神宮寺との違いは解りにくいのですね。